ばっちこい

たたむ

ヒナタ様の夢に毎晩出てくるようになったネジさん。出てはくるけど、毎晩毎晩泣いてるだけで何もしない。
なんで出てくるかというと、ヒナタ様が住み始めた家の真下にネジさんのいる塚が埋まっているから。
ヒナタ様が霊的なものを受信しやすいために夢に出てくるようになった模様。
最初はびびってたヒナタ様だけど、ずっと泣いてるのでかわいそうになってきて、
さすりながら慰めたりとかするようになった。しかしネジさんは無反応でやっぱり泣いてる。
それでも毎晩慰めてたヒナタ様がある日袖でネジさんの顔を拭ってみると、
ようやくヒナタ様に気づいたようでものすごくびっくりするネジさん。
それを機にヒナタ様は話しかけてみたけど、人語を忘れてしまったようで通じない。
それでもさすりながら慰めてくれるヒナタ様を見てなんとなくの意味は理解したらしい。
それからヒナタ様に慰められる間は泣き止んだりするようになって、
根気よく話かけられて少しずつ言葉も分かるようになってきたネジさん。
ヒナタ様に質問されてがんばって昔の事を思い出すうちに、すこしずつ元の人型に戻ってきた。
ネジさんの話すところによると、昔ひどい裏切られ方をして殺されて、
死後毎晩泣いていたところ塚を作られてしまってどこにも行けなくなり、
さらに近年になって塚も埋め立てられてしまってずっとひとりぼっちで泣いていたとのこと。
どこにも行けずにただ泣いているうちに足が根になってなおさら動けなくなってしまった。
根となった足は地面から抜けず、ひとまず塚をなんとかしないことには移動できそうにない。
しかし家が建ってしまったあとで掘り返すわけにもいかないので、ヒナタ様はなんとか坊さんやら祈祷師を探し、
塚によって作り出されていた結界的なものだけ壊してもらった。
そうして足も元に戻り自由に移動できるようになったネジさんは、
それからは守護霊的な感じでヒナタ様の周りをうろうろするのでした。おしまい。